犬のつちのこ
2011.09.17.Sat 11:18
ふぁぁ〜っ、今日もいい天気だなぁ〜っ。
すっかり高くなった空に向かって大〜きく深呼吸。
吸い込む空気も、先月とはずいぶん違う香りになった。
…とは言っても、このバラ園だけはいつもと変わらない香りなんだけどね。
朝の爽やかな空気をたっぷり吸い込みながら軽く散歩をしていると、茂みから一匹の犬がピスピスと鼻を鳴らしてやって来た。
「おはよう、つちのこ。」
つちのこは、メルが買い出しの途中で拾ってきた犬。
最初は泥だらけでボロボロだったけど、洗ってやるとこれがなかなかどうして立派な毛並みをしていて、
おまけにいつもバラ園にいるもんだから、ほのかにバラの匂いが染み付いている。
僕が挨拶したのが分かったのか、つちのこはその場おすわりをしてクゥン、と鳴いてみせた。
おっ、よ〜しよし、賢いじゃないか。
こりゃメルより賢いな。絶対。
ところで、つちのこには変な癖がある。
時に、何もない場所に向かって勢い良く吠え始めるんだ。
昨日も、突然吠え始めた時に、
『どうしたの?…まぁっ!ダメよ!』
騒ぎを聞き付けて飛んできたのはタリア。
慌ててタリアがつちのこに顔を突き付けて止めさせたんだ。
『ダメよ、クリス様はちょっぴりイタズラ好きかもしれないけど、クリス様に向かって吠えてはダメ。同じ家族なのよ?』
つちのこの頭に手をやったまま、ゆっくりとした口調でつちのこを諭していて、つちのこも反省したのか、クゥンと鳴いてタリアの顔をペロリ。
『そう、いいコね。………クリス様、あまりからかってはいけませんよ!』
柔らかな微笑みから急にピシャリとした口調に変えた後、タリアは館へと戻っていった。
…う〜ん、クリス様って…、何だったんだろう?
従僕・ノーマン | -
