Ludlow Castle - ルドロウ・キャッスル -でおこる素敵な出来事
resolve


孤独というのは、人をここまで変えるものなのか・・


眠っている母のやせ細った顔を横目に

起こさないように静かに机の引き出しから便箋を取り出し、筆をとる・・・・




「ミシェル・・・・」




綴ってゆく事実のやりきれなさに、ふだん流れることのない涙が頬をつたう。


・・涙をながすことなんていつぶりだろう?


思えば、十数年をルドロウ・キャッスルで何不自由なく過ごした私には、涙を流す機会なんて、ほとんどなかった。





・・でもこの人は・・母上は

その十数年を 孤独と不安の中で生きてきたのだ・・





パピヨンを発つ明け方、必ず戻ると約束した君の顔を思い出すと、胸が引きちぎれそうになる。

気丈にも、「お母様を大切にしてあげて」と微笑んだ君の笑顔。

僕はそれを・・



裏切ろうとしている。




でも・・・・


この決断が正しいのかどうかはわからないけれど、

この人を置いて生きてゆくことなど私にはできない。



「すまない、ミシェル・・・・」



涙でぼやけた視界の中

精一杯のまごころを込めて、

君のしあわせを願って・・

ペンをはしらせた。
 
 
 
 
 

次男・レオ | comments(0)
決断


帰宅したルドロウ・キャッスルには、見たことのない執事がいた。


どうやら、彼が新しい執事らしい・・・・

さっそく彼から、母の容態について報告を受ける。



――母上の様子は想像以上に思わしくないようだ。



また、身の回りの世話をする者もおらず

一人で自給自足の身。

今は親族のところへ身を寄せているようだが・・・・



父上に呼ばれ、しばらく話をした・・・・



「・・・・父上、お願いがあります。

 父上には、マダム・ミランダが居て、ルドロウには、サディが居る。

 ですが、私の母上には・・・・」



そこまで話したとき、父上は静かにうなずいて席を立った。



「・・・・蝶の館の姫君には?」


「彼女には、彼女のことを一番に思う弟君がいます」




・・まるで自分への言い訳のようだな。

しかし、そう言うことしか出来ないこの事態を悔しく思う・・・・



でも、必ず 必ず迎えに行くから。

いつか母上にも君を紹介したいんだ。




ミシェル、すまない。




部屋へ戻ると、今度は母の元へと向かう支度をはじめた―――
 
 

次男・レオ | comments(0)
遠乗り


久しぶりに兄上が帰って来て、屋敷はとても華やかだ。


けれど、父上が催す親類への婚約報告のための豪勢なティーパーティーは、少し堪えてきた。

ああいう華やかな場所には、父上や兄上がよく似合う。
もちろんルゥも。




一息つこうと出かけた馬の背で空を見上げると、夏の雲が流れていく。

眩い夏の光を木々が遮り、木漏れ日がとても綺麗だ。



婚約を告げる緊張と、祝福の言葉の照れくささにも、ようやく慣れてきた。


だけど・・・・


会いに行かなければいけない友人が、あと一人残っている。


蝶の城で美しい人を守る小さなナイトは、どうしているかな・・・・


あの人と同じくらい大切な彼を悲しませるのが嫌で、何となく言いそびれてしまったことを、今は後悔している。


よし。
これから会いに行こう。



しょんぼりとした暴君を見るくらいなら、バケツの報復の方がまだマシかもなぁ。

次男・レオ | comments(0)
フルムーン


夜の庭は穏やかな静けさに包まれている。

月明かりの中の薔薇が、夜風に揺れて仄かに香った。


何となく寝付けずに部屋を抜け出したけれど、
月夜を眺めても、心は落ち着きそうにない。





今日の午後


呼び鈴の音に、思い切って開けたドアの先には、見たことのない表情の父上。

そしてもう一人、穏やかに微笑むアルマンの姿が。


普段であれば、いつもと違う父上の雰囲気に圧倒されていただろうけれど、心が決まっていたから迷いはなかったんだ。



ただ誠実に全てを話し終えた後、私の肩に優しく添えられた手が・・・

言葉よりも雄弁に、大切な何かを語っていた。








ふと頭上を仰ぎ見ると、夜空には蒼い月が浮かんでいる。


あの人が喜びそうな美しい月だ。



透き通るようなブロンドの髪を梳きながら、
窓際で夜空を見上げているのだろうか・・・





そう思ったら、一目逢いたくて仕方がなくなった。


ただ「おやすみ」と外から言えるだけでいい。




幸い、道は明るい満月で照らされて、馬を走らせることもできそうだ。





ただ・・・

『フリルスカートを履いた好奇心』には、
見つからないようにしないとなぁ。


次男・レオ | comments(0)
make a wish


『ルゥ・・・ちょっといいかな?

私と父上は、これから大事な話があるんだ。』





唇を尖らせる妹をアイリスが連れて行くのを見送り、ドアの前に立つと、
部屋の中からは穏やかな笑い声が聞こえてくる。




柄にもなく緊張していると言ったら、あの人は笑うだろうか・・・・



ああ・・・きっとあの澄んだブルーの瞳を細めて、優しくこう言うだろう。


「大丈夫よ。」と。





叶うことのない願いだと思っていたよ。


君はラ・レーヴ・デ・パピヨンの令嬢だから、
どこか名の知れた名家の紳士が、いつか迎えに来るだろうと思っていた。



自分の血筋を恥じることなどなかったけれど、
君を失う理由になると気づいてからは・・・とても怖かったんだ。






一つだけ、昔から不思議だったことがある。




父上は、母上との結婚を決意したときに、どんな気持ちだったのだろう?




屋敷の主と使用人との結婚には、反対の声も多かったはず。

愛する人との喜びを祝福されない悲劇を払拭したものは、何であったのか。




いつか聞いてみようと思っていたけれど・・・もういいんだ。





今なら分かる。






『失礼します、父上。レオナルドです。』








・・・・ただ、君の傍にいたいから。



次男・レオ | comments(0)
灰かぶり姫


やあ、ルゥ。


ん?その恰好はどうしたんだい?


あはは、まるで『灰かぶり姫』じゃないか!





まあまあ・・・そんなにむくれないでくれよ。

笑ったのは謝るよ。




それより、何か用があって来たのだろう?



ああ、その写真か。

父上の若い頃の写真だね。



一緒に写っているのは、ガスパール叔父さんとアルフレッド叔父さん。

もう一人は・・・誰だと思う?



ははは、ルゥもよく知っている人だよ。

これは宿題だな。





それにしても、この制服・・・懐かしいなぁ。


キングス・カレッジ・オブ・ヘイスティングス・・・

私も通っていた全寮制の学園だよ。



そうそう、『灰かぶり姫』に面白いことを教えてあげよう。


父上が学園の監督生をしていた頃、午後のお茶の時間には、
3人の監督生、つまりプリフェクトが仕切る素敵な催し物があったのだって。

その名も「プリンセス・タイム」。




どんなティータイムだったのかは・・・



髭の紳士に聞いてごらんよ。



おっと・・・これは宿題だったな。はは。





次男・レオ | comments(0)
ローズヒップ


やあ、ルゥ。

どうしたんだい?そんなに急いで。


ああ、エグレッタの新しい当主のことか。

知ってるよ。
リリィ・テイラー開店のパーティーで会ったからね。


マルグリート嬢と恋人の・・・・
マクシミリアンだっけ?

噂に違わず、美男美女のカップルだったよ。


まあ、ちょっと一癖あるけど・・・

彼も苦労しそうだな。


あ、いや、何でもない。
独り言だよ。



え?
これから見に行こうって?

駄目だよ。
まだ仕事の途中だ。

それに、屋敷へ越してくるのは少し先だと思うよ。

また折を見て、ご挨拶に行こうじゃないか。




お前の宿敵には・・・
手土産にローズヒップを持って行くといい。


ははは、頭痛に効くからね。

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白兎を追って


秋空が透き通るような日に届られた郵便物の中に
見覚えのある蝶々の蝋封がありました。

まさか、あの人から・・・・?


淡い期待は直ぐに消えましたが、
威厳たっぷりの老紳士に相応しい達筆で書かれたそれは
パピヨンで開かれるハロウィーン・パーティーへの招待状でした。


マスカレードの煌びやかな招待客の間を
あの人がドレスの裾を翻してすり抜けていく・・・

そんな光景を想像して、思わず頬が緩みました。

堂々とダンスに誘えるチャンス、と言いたいところですが、
唯一にして最大のライバルが一人。

小さなナイトは姉上に近づく輩を許さないからなぁ。


もし見つかったら、バケツを落とされるどころじゃ済まないでしょう。



う〜ん、どうしたものか・・・


ハロウィーン・・・・

仮装舞踏会・・・

仮装・・・・!!





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Shall we dance?


春も近いのでしょうか。
ホールへ差し込む光も柔らかくなってきた気がします。

しかし、春眠にひたる時間は全くない様子・・・やれやれ。


ルゥのバースデーパーティーが近いので、
舞踏会のためのダンスを特訓中なのです。




何とか相手の足を踏まないようにさえなってくれればいいのですが・・・・

先はかなり長そうですね。



それにしても、ダンスの合間のお喋りはパーティーのことばかり。

よほどパピヨンのパーティーが楽しかったのでしょう。



ルゥの口からあの人の名前が出るたびに
思わず目線を逸らしてしまう。


誤魔化すための笑顔を見破られていないとよいのですが。



無邪気にあの人の名を呼べる妹や幼い従兄弟が
ときどき少し羨ましいと思うのです。




次男・レオ | comments(0)
エッグノッグ


どうやら風邪が流行っているようですね。

風邪は万病の元。
早め早めに対処して治してしまうのがいいでしょう。

寒気がするときには、温かい『エッグノッグ』がオススメです。

要はミルクセーキを少し濃厚にしたような飲み物なので、
作り方もいたってシンプル。

材料は2人分で・・・
卵4個
砂糖1/3カップ
クリーム1/2カップ
牛乳1/2カップ
バニラエッセンス3滴
ラム酒orブランデー 適量

〕颪硫身を卵の白身から分離させて、ゆっくり砂糖を加えながら、
卵の黄身をクリーム状になるまで砂糖半分とホイップする。

白身を残りの砂糖を加えながら角が立つまでホイップする。

クリームを少し硬めになるまでホイップする。

ち管瑤虜猯舛鮃腓錣擦謄丱縫薀┘奪札鵐垢鯑れ、
好みでラム酒かブランデーを混ぜて出来上がり。



大の甘党の私が作るときには、レシピどおり砂糖をタップリ入れて作ってしまうのですが・・・

辛党の方には甘すぎて頭痛がするそうです。

しっかり甘い方が美味しいのに。



そういえば先日もレシピを聞かれましたっけ。
誰か風邪をひいている人に作ってあげるつもりだったのでしょうか?


どうか召し上がる方が辛党でありませんように・・・。


次男・レオ | comments(0)
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