Ludlow Castle - ルドロウ・キャッスル -でおこる素敵な出来事
responsibility



相変わらず、整った 綺麗な文字を書くんだね・・・



デボラの元にいる、レオからの手紙。



それでも、筆をとる手は震えていたのであろうことが

ありありと目に浮かぶよ。



内容は、ラ・レーヴ・デ・パピヨンのミシェル嬢との婚約を

正式に破棄させてほしい、というもの・・・



ルドロウに届いたこの手紙のほかにも、

きっと彼女にも同じ内容の文を送ったのだろう。



ただ、こちらには 彼女の先を案ずる心情と

合わせる顔もないが、どうか幸せにという

苦しい胸の内が、素直に書かれていた・・・



安心していい。

・・・二人に過酷な運命を背負わせたのは、私だ。

出来ること全てを、するつもりだよ。




・・・君の心の中に比べれば、こんな胸の痛みは比べるほどでもないのだろう。

けれど・・・




目を背けたくなるような現実を振り切るように、ベルを鳴らした。


すぐにメイドのマオーが顔を出す。





「サディを。サディアスを呼んでくれないか」

 
 
 
 

当主・チャールズ | comments(0)
moratorium


パピヨンから戻ってきてしばらくは

なんだか少し女性らしくなった印象をうけたんだ



でも・・・


リリィからの招待状の一件からは、すっかり変わってしまったね



私が言っても聞かないし、


メイド長のアイリスやマオーからは

「以前にも増して」という報告を受ける


執事のマーカスからは

「信じられない」という風な顔をされるんだ



すっかり手に終えなくなってしまった君を ときどき不安に感じることがある



ルゥ・・・どうしてしまったんだい?



今のルドロウ・キャッスルには

ロミオもいなければ、レオもいない




・・・ルゥ、君もいつまでも子どもではいられないんだよ




願わくば

このルドロウ・キャッスルを担う

立派な淑女になってほしい





―― ため息をひとつ吐くと

先ほどマーカスから提案された一件を思い出した・・・――

当主・チャールズ | comments(0)
異変


久しぶりの彼女からのしらせが、こんなものになろうとは・・・


長年 ここルドロウ・キャッスルで

メイド長として勤めてくれたデボラの実家からのしらせ。



――デボラが、倒れた。



彼女は・・・レオの実の母親。



息子を奪われ、一人仕事に追われ

ずっと一人で生活してきた心労が原因だろうか・・・。



・・・彼女と過ごした日々を懐かしむ暇もなく、

さっそく新執事・マーカスに新しい仕事を命じる。



「ラ・レーヴ・デ・パピヨンへ使いを・・・


 レオナルドとルゥに、ルドロウへ至急戻るように、と。」




当主・チャールズ | comments(0)
よく似た顔



やはり執事のいない館というのは
不都合なことが多々あるようだ。


ルイーザをパピヨンにあずければ
メイド達の負担も少しは軽くなるかと思ったのだが・・・


ものには限界というものがあるようだ。


メイド長のアイリスに毎日 涙目で懇願されるのにも
もうお手上げになってしまったしね。



そこで、以前から計画していたことを実行に移すことに決めた。



・・・マシューがこの館を去った今、
 私がこの世でもっとも信頼している執事。

それは、古くからの学友であり

私のことをよく知る人物。

・・・しかし、彼には仕えなければならない小さな王子様がいる。



そこで目をつけたのは、彼の甥。


彼が手塩にかけて育てたその男は・・・

なるほど、ひと目見た瞬間
アルマン 在りし日の君の姿を思い出したよ。

少し神経質そうにも見えるけれど そんなところも君に瓜ふたつだ。



きっと有能な執事なのだろうね。




既に承諾はとってある。

もうじき、ルドロウ・キャッスルに到着する頃だろう。


ルイーザ、君がパピヨンから帰ってきたら
真っ先に紹介してあげよう。


君が屋根裏部屋で見つけた
キングス・カレッジ・オブ・ヘイスティングスでの写真・・・

色男の正体を、君は「信じられない」と言っていたけれど

まさしく彼に生き写しのアルマンの甥―




私たちの新しい執事
 

Mr.マーカス・ワイアット・スペンサーを。
 
 
 

当主・チャールズ | comments(0)
Dear・・・


ミランダとの短い休暇を終えて
ルドロウ・キャッスルに戻ってきた。



おや・・・



我が家のプリンセスは、まだ戻っていないようだね。


そろそろ、アルマンから抗議の手紙が届く頃だろうか。



昔から、彼は私達一族に振り回されてばかりだからな・・・




眉間に皺を寄せるのは彼の昔からの癖だが

深くした責任の一端は私にもあるのだろうな。





・・・ああ、ミランダ。


私は疲れてなどいないよ。


さて、次はどこへ行こうか?



華やかな場所もいいけれど・・・

そうだな・・・今度はもう少し遠出して、二人で秋を探しに行こう。




・・・その前に、一通だけ、手紙を書かせてくれないか。



親愛なる友にね。

当主・チャールズ | comments(0)
リトル・プリンセス


「そこにいるのは・・・ルゥかい?よく来たね。」



扉の向こう、ヒラヒラしているスカートの端に声を掛けると、
かくれんぼを見つかった相手はバツが悪そうに書斎へ入ってきた。



「淑女の盗み聞きは感心しないな、お嬢さん。」

『だって、父様も兄様も私に何も教えてくれないじゃない。』


ちょっと拗ねた顔の娘に、たくさんのドルチェの載った皿を差し出す。

満面の笑みでガレットへ手を伸ばす愛娘を見て、こちらも思わず微笑んだ。


ああ・・・マーガレットによく似ている。




幸せなデジャヴに浸りながら、娘が握り締めているセピアの写真に、ふと目が留まった。


これは・・・
カレッジにいた頃の私とアルマン、ヴェルニエ伯爵。

残る一人は、「アイツ」か・・・



『父様・・・どうしたの?』


ハッと我に返ると、心配そうなグリーンの瞳が自分を見上げている。





・・・なあ、ルイーザ。

いつの日か、君は素敵なレディに成長して、私のもとから外の世界へ旅立って行くだろう。

悲しいけれど、それは仕方がないことだ。



・・・・・でも、お願いだ。

ナイスガイな農夫の名前を記した手紙は、決して寄越さないでくれよ。




ちょっとトラウマでね。



「では、ルゥ。そろそろ、レオと私が何を話していたのかを教えてあげよう。
そしてもう一つ、とても大切な話があるんだ・・・」



当主・チャールズ | comments(0)
The d'apres-midi


溜まった書類をひと段落させると、
いつのまにかアフタヌーンティーの時間になっていた。



アルマンがもう少しいてくれたらよかったのに。

いや、「早く仕事をしたまえ。」って、説教と小言がうるさいだけかもしれないな。ははは。



さて、マオが淹れてくれた紅茶でも飲んで、一休みしようか。


【ヌワラエリヤ】のミルクティー。


グリニッシュと呼ばれる草の萌えでるような香りと、
花の甘い香りがほのかに混じろう魅惑的な風味は・・・



何となく、幸せな二人を連想させるね。

当主・チャールズ | comments(0)
プレゼント


『それでは・・・アルマン殿、父上、お先に失礼します。』



去り際に見た自分と同じグリーンの瞳は、澄んだ輝きに満ちていた。

ああ、まるでデジャヴのようだ。



不思議な感覚を味わいながら、
エマが持ってきてくれた手紙を開封すると・・・


ヴェルニエ伯爵は、どうやらエグレッタ・サクラを訪れるらしい。

愛娘のマルグリート嬢に会いに行くのだろう。



昔と変わらない流暢で流れるような文体に、あの優しい笑顔が目に浮かぶようだ。





そういえば、彼にもこの紅茶を勧めたことがあったな。


他愛もない会話だったけれど、「博士号を取りたいんだ。」と微笑んだ横顔が妙に印象的で・・・


いくつも違わないのに、とても大人びて見えた。



喜ばしいニュースもあることだし、会いに出向きたいのだが・・・

今回の準備が色々とあってね。残念だ。



ああ、君はエグレッタに行くのだったな、アルマン。


じゃあ、ひとつ頼まれてくれないか?
ヴェルニエ伯爵にこれを渡してくれ。


中身かい? 


ははは、もう検品の必要はないだろう、監督生殿。



中身は・・・極上のダージリンさ!



よろしく頼んだよ、アルマン。



当主・チャールズ | comments(0)
二人でお茶を


随分と久しぶりだな、アルマン。


昔と変わらず小言はうるさいけど・・・

まとっている雰囲気は前より柔らかくなった気がするよ。



耳に懐かしい説教はそれくらいにして、
極上のダージリンを頂こうじゃないか。



懐かしいな。学生時代を思い出すよ。




覚えているかい?


ロバートから君へ悪戯の謝罪を頼まれたあの日も、
僕はこの紅茶を淹れたんだ。



ロバートといい、マイケルといい・・・



フフ・・・君はつくづく、悪戯小僧と縁があるんだな。



スーツにピンク色の染みがないところを見ると、
長年の受難と経験値は、ベテラン執事の防衛術に昇華されたらしいね。






え?・・ああ・・あの時も僕が遅刻したって?



やれやれ、相変わらず細かい男だなぁ。










当主・チャールズ | comments(0)
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