Ludlow Castle - ルドロウ・キャッスル -でおこる素敵な出来事
泰然自若


見慣れた封筒
裏返すと厳かな「W」の文字の封蝋

名門ウェントワースの校長から
定期的に届けられる手紙


内容は見なくてもわかっている


どうせ、またあのお転婆娘の事だ――



それでも最近は来る回数が多少減ったと
喜ぶべきなのだろう


伝統ある女子校ウェントワースを預かる
ミス・クレメンツは少しばかり神経質すぎる


やはりヘイスティングスのミスター・エリスンに
預かっていただくべきだったのだ


聞くところによると
叔父がお仕えしているマイケル様も
ヘイスティングスに編入するという


なのに何故か我が主も叔父も
この件については強く反対をした


ルイーザ様とマイケル様――
二人を一緒にしてはいけない理由が
あるのだろうか


まあいい
瑣末な事だ


皆の期待を一身に背負っておいでだった
次期当主・レオナルド様が
この屋敷を去られた以上


残るは――



あのボンクラ・・・

いや、次期当主であらせられる
サディアス様の教育を今以上に
しっかり行わなくては


そう・・
それが私の


ハウエル伯爵家執事の責任なのだから

執事・マーカス | comments(0)
迅速果断


何やら廊下が騒がしい
自然と寄ってしまう眉間の皺を
軽く指で押さえながら溜息をつく


ハウエル家といえば、知らぬ者はおらぬ程の名門――


我が主、
チャールズ・エドワード・ハウエル卿の御名は
ここにを訪れる前から、随分と色々な所で耳にした


その殆どが主を称賛する声であった


さぞや素晴らしい御方だろうと
まだ見ぬ主に想いを馳せ
そのような素晴らしい御方にお仕えるできる事を
心より嬉しく思った



確かに主は素晴らしい御方であった――


主とそのご子息・・次男だけは――





――ルゥさまぁ〜〜!!

――ルイーザさまぁ〜〜〜!!どちらにいらっしゃいます〜〜〜!?



日に何度、このようなメイドの呼び声を聞けば良いのか?


・・っ!!
あのお転婆娘が・・・っ!


机の上の眼鏡をとり、おもむろに立ちあがる



良家の子女がフラフラと屋敷内を徘徊するなど・・
ましてや、邸内から脱走を試みるなど!!

あってはならないことだ



――ああ!!サディ坊ちゃま!!ルゥ様を見かけませんでしたか!?


もう昼過ぎだというのに
間延びした、眠そうな返事が
扉の向こうから微かに聞こえてくる


フン!・・・ボンクラめ・・・!



一体、どうなっているのだ、この屋敷は!?
年頃の娘、息子をパプリック・スクールにいれるでもなく
家庭教師をつけている様子もない

自由にのびのびと育てると言ったって
限度というものがあるだろう!?


あの二人の体たらくぶり!



まずは、あのじゃじゃ馬を何とかしなくては・・・!!



ドアノブを握る手に力をこめた――

執事・マーカス | comments(0)
時間


部屋のドアを静かに閉め、豪華絢爛な廊下を歩く
当主、チャールズ様から仰せつかった事柄は
『至急、パピヨンに居るレオに連絡を』と、いうものだった
次男であるレオナルド様の母上が倒れたのだ

すぐ執務室に入り、手紙を書き上げる
インクが乾く間も惜しみ、ブロッターで押さえすぐに封をした
手紙を持ち、使用人達を集め必要最低限の詳細を伝える
そして、郵便を届けるように使いを出した

ここまでに所有した時間

「45分‥‥」

眼鏡を抑えながら溜め息をつく
まだ慣れない屋敷だからといって、かかり過ぎだ

「叔父なら、30分もあれば片付けただろうに‥‥」

初見で子供だと思った人物が、自己紹介にて
実は立派な使用人だったという事もあった


「慣れていないからという理由では――」

――仕事が出来ない理由にはならない


ともあれ、まずは知らなくては―――

この館の全てを、住人を、ルドロウ・キャッスルを





時計を一瞥し、再び歩き出した

執事・マーカス | -
新しい主人の元へ


冷静沈着、頭脳明晰、執事としても万能
そしてその優しさ、‥‥全てにおいての私の目標

敬愛してやまない、そんな叔父からの紹介で
新しい屋敷に仕える事になった

新しい館 ――――――ルドロウ・キャッスル

必要最低限の荷物だけを入れたトランクケース一つを持ち
吐き出された白い息越しに、その館を扇ぎ見る

今まで私が仕えてきた中でも、一番に大きく豪華であろう建築物

入口に立ち、その状態を間近で把握する
素晴らしい外観、行き届いた手入れ

ここの使用人達はとても優秀な様だ‥‥が


なんだ、この子は


扉の傍らで、雪だるまを作っている子供が1人
身なりからして、ここに仕える使用人の子供だろうか?

その子を横目に、屋敷内に入る

館内の装飾も素晴らしい
こんな華やかな屋敷に仕えられるという事は
執事としても誇り高く、とても光栄な事‥‥と
普通の執事ならば思うのだろうが


「‥‥‥」


叔父の紹介で無ければ来なかった

新しい場所、新しい人間との付き合いというのは
何かと面倒くさい
しかもこの屋敷には、まだ成人していない子供も居るという
また1から教育し直さなければならない肯定を思い浮かべ
溜め息をつく


「イイ子だと、‥‥いいんだがな」


悪魔の様に手のかかる子供も、私にかかればイイ子にする自信はある
その子供の嫌がる表情を思い浮かべ、薄く笑う


「さて、新しい主人に御挨拶をしなければ」


人さし指で眼鏡を上げ、佇まいを直し
静かに呼び鈴を振った

執事・マーカス | -
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