Ludlow Castle - ルドロウ・キャッスル -でおこる素敵な出来事
忍び寄るピンク


…はぁ、やっとひと息付けたぁ〜っ。


先日の晩餐会以降、やたらと皆、僕が休んでないか厳しくチェックするようになっちゃって…、

今朝も早い時間から寝室の掃除やらクロスのセットやら、それってメイドの仕事じゃ…ってことまで頼まれて、

ようやく全部終わったと思ったら次は中庭のバラに水やり。

でも、ここなら誰の目にも触れないし、のんびり作業していても誰も気付かないよなっと。



それにしても、いつ見てもルドロウ・キャッスルのバラは見事だなぁ〜。

どれも細やかに手入れがされていて、配色もカンペキ。

見渡す限りに赤、白、ピンクの色とりどりなバラが……あれ?

あそこだけやたらとピンクが集まってる?



不思議に思いながら水やりをしていると、そのピンクの塊が軽やかなステップを踏みながら徐々にこっちに近付いてきた。

「私ぃ〜はこの世〜で一番!美しいと言われ〜た嬲(読み方:オトメ)♪世界〜の誰よ〜り美〜しく〜♪羽〜を広げ舞うのぉっ♪」

…人だ!いや、…人、か?

内巻きボブのブロンド髪に、眼が痛いほどショッキングピンクのワンピース。

ふとすると可愛らしい女性の出で立ちに見えそうなそれとは対照的に、ハッとするくらいの青い瞳と…青い、ヒゲ剃り跡。

「あら?貴方、見ない顔ね。新しい使用人さんかしら?」

不思議な人に話しかけられてしまった…。

え、えぇ、まぁ…。

「あたくし、ウェントワース女学院の教師よ。貴方のところのマーガレットとイザベルのセ・ン・セ・イ♪」

そう言って彼女(…彼?)は僕の手にそっと自分の手を重ねた。

「伝えてくれる?ルイ=マリー・デフロッテ・ロワイエが愛しのチャールズに会いに来たわよって。」

手に持ったバラの花を指でくるくると回しながら告げると、今度は突然鏡を取り出し、化粧直しを始めた。



ルイ=マリー・デフロッテ・ロワイエ…。

確かに、マーガレット様からそんな名前を聞いたことがあります。

確か…、

『ウェントワースには、"すごく変わってる先生"がいてね、ムッシュ=ロワイエって言うんだけど…』

「あらぁ!マーガレットがあたくしのことを、乙女心を"すごく分かってる先生"ですって!?」

いえ…言ってないです。

あとは…、

『私はすごく面白い先生だと思うんだけど、イザベルは"だいぶ無視"しているわ…。』

「まぁっ!!イザベルが"ライバル視"してるですって!?そりゃあ確かに、あたくしとイザベルはヴェルニエ先輩を巡っての恋のライバルではあるけれど…そうなのねぇ、イザベルったら…♪」

これが噂のムッシュ=ロワイエ…、確かに手の付けようがない…。

「やだぁ、いいのよぉ!あたくしのことを"手の届かない"存在だなんて言ってくれなくても!さぁっ、そうと分かったら早速イザベルに宣戦布告といくわよ〜っ!!ヴェルニエ先輩は渡さないんだからっ!!!」

急に生き生きし始めたロワイエに力強く腕を抱え込まれた。男の力強さとは裏腹なコロンの強烈な香りに頭がくらっとする。

だめだ…逃げなきゃ…!誰か…!!

「…。」

アーネスト は ようすを みている。

あっ!旦那様!!旦那様っ、助けっ…!!!

「…。」

アーネスト は にげだした!

だ、旦那様ぁ〜〜〜っ!!!

逃げる気力を失った僕を引きずりながら、意気揚々とロワイエは館の中を駆けまわるのであった。

せめて…お嬢様…逃げて……。

***** 一方その頃 *****

「ねぇ、イザベル?さっきから何か、聞こえない?」

「さぁ。気のせいじゃない?」

従僕・ノーマン | -



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